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2026年版・一次情報つき

副業の確定申告ソフト 選び方 価格より先に見る7つの比較基準と、「そもそも有料ソフトが要るか」の判定

「確定申告ソフト おすすめ10選」を3本読んでも決まらなかった人へ。決まらないのは優柔不断だからではなく、それらの記事が想定している読者があなたではないからです。上位に並ぶ比較記事はほぼ全て「専業の個人事業主」向けに書かれていて、副業会社員だけに発生する条件——給与所得との合算、住民税の徴収方法、雑所得か事業所得かの分岐——を比較軸に入れていません。

この記事では、価格表を見るに踏む2つの前提判定と、そのあとで効いてくる7つの比較基準を整理します。結論から言うと、副業の規模によっては有料ソフトを買わないのが正解になるケースが実際にあります。

副業の確定申告ソフトの選び方と比較基準を表したイメージ図。天秤が価格タグよりもチェックリスト側に傾いている

CONCLUSION結論|副業のソフト選びは「2つの前提 → 7つの基準」で決まる

先に全体像を出します。副業会社員がソフトを選ぶときの意思決定は、次の順番で降りていくと迷いません。逆に、この順番を飛ばしていきなり料金表を比べると、必ずどこかでやり直しになります。

  1. 前提①:あなたの副業所得は「事業所得」か「雑所得」か
    ここで青色申告ができるかどうかが決まり、必要なソフトの性格が変わります。
  2. 前提②:そもそも有料ソフトが要るか
    2026年提出分から国税庁の無料ツールがかなり進化しています。ここで「不要」と出る人が一定数います。
  3. 7つの比較基準で絞る
    要ると判断した人だけが、ここで初めて製品比較に入ります。うち2つは会社員にしか関係しない基準です。
  4. 3年総額で最終確認
    初年度無料キャンペーンが多いため、単年の価格では正しく比べられません。
この記事の立場

特定の1製品を「これが最強」とは書きません。副業の形態によって最適解が割れるためです。代わりに、自分のケースならどの基準を重く見るべきかが判定できる形にしています。製品同士の直接対決が見たい方は、マネーフォワード クラウド確定申告と弥生の青色申告を機能単位で比べた記事もあわせてどうぞ。

PREMISE 01前提①|あなたの副業は「事業所得」か「雑所得」か

ソフト選びの前に必ず確定させるべきなのがこれです。理由は単純で、雑所得には青色申告がなく、青色申告特別控除も使えないから。青色申告を前提に作られている高機能ソフトの主要な売り文句が、雑所得の人にはまるごと無意味になります。

会社員の副業の多くは、規模や継続性の面から雑所得(業務)に区分されます。「開業届を出したから自動的に事業所得」ではない点に注意してください。この判定そのものについては副業で開業届を出すべきかを判断するフローチャートで詳しく扱っています。

雑所得(業務)に課される、規模別の義務

雑所得なら何もしなくていいわけではありません。国税庁のタックスアンサーNo.1500では、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額を基準に、次の義務が段階的にかかります。

業務に係る雑所得:前々年分の収入金額による義務の違い(国税庁 No.1500)
前々年分の収入金額課される義務・使える特例ソフトに求められる水準
300万円以下 現金主義の特例が使える(申告書にその旨の記載が必要) 収支が集計できれば十分。表計算でも成立する
300万円超 現金預金取引等関係書類(請求書・領収書等)の保存義務 証憑の保存・検索性が効いてくる
1,000万円超 確定申告書に総収入金額・必要経費の内容を記載した書類(収支内訳書など)の添付が必要 収支内訳書を出力できることが必須条件になる

※ 基準は「その年」ではなく「前々年分」の収入金額です。今年伸びた副業は、義務が2年遅れで追いかけてきます。

ここで多い失敗

「無料だから」と白色申告向けの無料ソフトを選んだあとで、そのソフトの帳簿機能が事業所得を前提に作られていたと気づくパターン。雑所得で申告する人は、帳簿機能そのものより「確定申告書の作成画面に雑(業務)所得の入力欄があるか」を先に確かめてください。この確認方法は後述の基準3で扱います。

PREMISE 02前提②|そもそも有料ソフトは要るのか(2026年に境界線が動いた)

ここが、上位の比較記事がほとんど触れない部分です。触れない理由は察しがつきますが、副業会社員にとっては最も金額インパクトの大きい判断になります。

国税庁の確定申告書等作成コーナーは、令和7年1月から所得税の全画面がスマホ対応になりました。さらに、スマホで青色申告決算書・確定申告書を作成し、マイナンバーカードを使ってe-Taxで提出するところまで完結できます。かつて有料ソフトの差別化ポイントだった「スマホで完結」「e-Tax対応」は、無料側にほぼ追いつかれた形です。

会社員が自宅の机で、給与明細のパネルと帳簿のパネルを1本の線でつないでいる様子を表した概念イラスト
副業会社員の申告は「給与」と「副業の帳簿」を一本につなぐ作業。ソフトを比べる前に、自分がどちらの側で詰まるのかを見極めておく。

作成コーナーに「ない」もの=有料ソフトを買う理由

ではソフトの価値はどこに残っているのか。答えは申告書の作成ではなく、その手前の帳簿づけです。作成コーナーは3月に申告書を組み立てるツールであって、1年間の取引を継続的に記録する機能は持っていません。

国税庁の作成コーナー(無料)と会計ソフト(有料)の役割分担
やること作成コーナー会計ソフト
確定申告書の作成できるできる
青色申告決算書の作成できる(スマホ可)できる
e-Tax送信できるできる
日々の記帳・複式簿記の帳簿づくりできないできる
銀行・カードの明細自動取込できないできる
領収書の撮影・電子保存できないできる

ここで効いてくるのが青色申告特別控除の要件です。国税庁タックスアンサーNo.2072によると、65万円控除には「正規の簿記の原則(一般に複式簿記)による記帳」「貸借対照表・損益計算書の添付」「期限内申告」に加え、e-Taxでの申告か、優良な電子帳簿の保存のいずれかが必要になります。つまり作成コーナーで決算書は作れても、その元になる複式簿記の帳簿は自分で用意しなければならない。この帳簿を作る手段として、ソフトの月額に価値が生まれます。

判定:あなたは有料ソフトが要る側か

年に一度まとめてやろうとして毎年3月に消耗している人は、ソフト選びより先に「月に一度15分だけ触る」運用を決めたほうが効きます。なお、確定申告そのものの手順(e-Taxの操作や住民税の扱い)は副業の確定申告やり方ガイドで通しで解説しているので、ソフトを決めたあとに一度通しで読んでおくと当日が速いです。

CRITERIA副業会社員が見るべき7つの比較基準

ここからが本題です。7つのうち基準1と基準2は、専業の個人事業主にはほぼ関係がなく、会社員だけに効くものです。比較記事の表に載っていないのはこの2つで、そして実務で一番詰まるのもこの2つです。

会社員固有

基準1|給与所得(源泉徴収票)を同じ画面で入力できるか

会社員の確定申告書には、副業の所得だけでなく本業の給与所得も載ります。源泉徴収票の支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等を入力し、副業分と合算した税額を計算する必要があります。

ここが分かれ目で、「会計ソフト」は本来、事業の帳簿をつけるための道具です。給与所得の入力欄がソフト側にない、あるいは上位プランにしかない場合、帳簿はソフト・申告書は作成コーナーという二重作業になります。

たとえばfreee会計では、源泉徴収票の金額と支払者名を入力すると給与所得の情報が自動で申告書に反映され、これは個人向けのスターター/スタンダード/プレミアムの各プランで利用できます。弥生のオンライン製品でも、確定申告書の作成画面で選択できる所得の種類に給与所得が含まれています。

3分でできる確認方法
  1. 無料体験に登録し、「確定申告」メニューを開く
  2. 所得の種類を選ぶ画面まで進む
  3. 「給与所得」が選択肢にあるか、そこから先に進めるかを見る
会社員固有・最重要

基準2|住民税「自分で納付」を申告書の第二表で選べるか

会社に副業を知られたくない人にとって最重要の項目です。副業分の住民税を勤務先の給与から天引き(特別徴収)せず自分で納めるには、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選択する必要があります。

この選択ができるのは給与・公的年金等以外の所得がある場合に限られます。令和6年分の確定申告(令和7年度の住民税)からは、給与所得のみの人はこの欄で普通徴収を選べなくなりました。副業が別の勤務先からの給与(アルバイト等)である場合、そもそもこの欄では分離できない、ということです。

ソフトを変えても解決しない

「副業がバレにくいソフト」というものは存在しません。決まるのはチェックを入れたかどうかだけです。ソフト選びで確認すべきなのは「その項目が画面上にあり、迷わず辿り着けるか」であって、機能の有無ではありません。

3分でできる確認方法
  1. 各社のサポートサイトで「住民税 自分で納付」と検索する
  2. 操作手順の記事が出てくるか、画面のどこにあるか確認する
  3. 手順が公開されていない製品は、申告直前に探す羽目になる
所得区分

基準3|雑所得(業務)に対応しているか

前提①で雑所得だと判定された人は、ここが最優先です。会計ソフトの帳簿機能は事業所得を前提に設計されていることが多く、雑所得の人が使うと勘定科目や決算書の作りが噛み合いません。

確認すべきなのは帳簿側ではなく申告書作成側に「雑(業務)所得」「雑(その他)所得」の入力欄があるかです。弥生のオンライン製品では確定申告書の作成画面にこれらの入力項目が用意されています。freee会計では、源泉徴収されていない雑所得を「所得・控除」メニューから源泉徴収税額0円として入力する運用が案内されています。

逆に、雑所得の申告書作成に対応していない製品では、ソフトで集計した数字を国税庁のサイトに手で転記する形になります。それなら最初から作成コーナーで完結させたほうが早い、という結論もあり得ます。

コスト

基準4|2年目以降の実質年額(初年度無料の効き方)

この業界は初年度無料・初年度半額のキャンペーンが標準装備です。単年の表示価格を横並びにすると、ほぼ確実に判断を誤ります。詳細は次章で3年総額に直して比べます。

もうひとつの注意点が申込タイミングです。初年度無料が「申込から1年間」なのか「その年度分」なのかで、2月に申し込んだ場合の実効期間が変わります。申告直前に駆け込みで契約すると、無料期間の大半を使わずに次の課金が来ることがあります。

また、料金表に出てくるプラン名の意味を額面どおりに受け取らないこと。プラン名から想像した内容と実際の中身が食い違っていた事例は実際にあります。

サポート

基準5|サポートが「操作案内」か「業務相談」か

ここを混同すると高いプランを無駄に買います。多くの製品で、サポートは階層になっています。

  • 操作サポート:ボタンの位置、エラーの直し方。下位プランやメール・チャットで対応されることが多い
  • 業務相談:この支出は経費になるか、どの勘定科目か。上位プランに限定されがち
  • 税務相談:税理士でなければ答えられない領域。ソフト会社のサポート範囲外

電話サポートの有無はプランで明確に分かれます。マネーフォワード クラウド確定申告は全プランでメール・チャットに対応し、電話サポートはパーソナルプラスのみ。freee会計の個人向けでは電話サポートはプレミアムのみです。副業の規模で電話まで必要になるケースは多くありませんが、「1年目だけ上位プラン、2年目から下げる」という使い方は現実的です。

運用

基準6|連携する口座の「絞り込み」ができるか

銀行・カード連携は全社が売りにしていますが、副業会社員が見るべきは連携数の多さではなく、連携する口座を絞れるかです。

給与の振込口座をそのまま連携すると、生活費の明細まで会計ソフトに流れ込み、毎月それを仕分ける作業が発生します。実際に入出金のある副業用の口座だけに絞るのが基本です。銀行口座とクレジットカードを両方連携している場合、カードの引き落としが二重に計上されることもあるため、どちらかを対象外にするルールを最初に決めておきます。

あわせて確認したいのが電子帳簿保存法への対応です。2024年1月から電子取引データの電子保存が完全義務化されており、副業でもメールで受け取った請求書やサイトからダウンロードした領収書は対象になります。紙に印刷して保存、では要件を満たしません。

3分でできる確認方法
  • 連携設定画面で、口座を個別にオン/オフできるか
  • 取り込み開始日を指定できるか(過去分を巻き込まないため)
  • 電子取引データの保存機能が、契約するプランに含まれているか
出口

基準7|やめるとき・乗り換えるときのコスト

最後に、入口ではなく出口を見ます。副業は数年でやめることも、規模が変わって別の製品に移ることもあります。そのときに過去の帳簿データを持ち出せるかは、契約前に確認しておく価値があります。

確認するのは、仕訳データのCSVエクスポートができるか、解約後に過去データを閲覧できる期間があるか、の2点です。青色申告をしている場合、帳簿書類には保存義務があるため、解約と同時にデータが消える設計だと困ります。

実際の移行で何が引き継がれ、何が手作業になるのかは、弥生からマネーフォワードへ乗り換えたときの手順と、実際に移行できたデータの範囲を見てもらうのが早いです。想像より引き継げないのが普通です。

WEIGHTING7基準を副業タイプ別に重み付けする

7つ全部を満点で満たす製品を探すと決まりません。自分のタイプでどの基準を重く見るかを決めてから比べます。

1本の道が3つに分岐し、それぞれ書類・クラウド・スマートフォンを表すプラットフォームに続く様子を描いた概念イラスト
同じ「副業の確定申告」でも、所得区分と取引量で行き先は分かれる。全員が同じ製品に着地するほうが不自然。
TYPE A

雑所得・年間の副業収入が数十万円規模

ブログ収益、単発のライティング、フリマの継続販売など。取引件数が少なく、経費の種類も限られる層。

重く見る基準:基準3(雑所得対応)・基準2(住民税)/そもそも有料ソフトを買わず、無料ソフトか作成コーナーで足りる可能性が高い

TYPE B

事業所得・青色申告65万円控除を取りにいく

継続的に受託し、開業届と青色申告承認申請を出している層。複式簿記の帳簿が必須になる。

重く見る基準:基準4(3年総額)・基準6(連携と電帳法)/帳簿の自動化がそのまま控除額に直結する

TYPE C

副業が複数・入金経路がバラバラ

クラウドソーシング、直請け、アフィリエイト報酬などが並行し、振込元が毎月違う層。

重く見る基準:基準6(口座の絞り込み)・基準1(給与合算)/取り込みルールを最初に固めないと月次で破綻する

TYPE D

税務まわりが不安・1年目

初めての確定申告で、何が経費になるかの判断から迷う層。

重く見る基準:基準5(サポート階層)・基準7(出口)/1年目だけ上位プラン、慣れたら下げる前提で選ぶ

タイプが決まったら、料金表ではなく実際の画面で確かめる

基準1(給与所得の入力欄)と基準2(住民税「自分で納付」)は、無料体験に登録して確定申告メニューを開けば5分で判定できます。主要各社は初年度無料または無料プランを用意しているので、2社を並行して触ってから決めるのが結局いちばん早い方法です。

確定申告ソフトの無料プランを試す

PRICING3年総額に直した料金の比べ方

初年度無料が多いため、単年比較は機能しません。ここでは主要3製品の個人向け下位〜中位プランを、公式が公表している価格で並べます。

個人向け主要プランの価格(各社公式の公表値。2026年9月時点)
製品・プラン年額初年度の扱いサポート
やよいの白色申告 オンライン
フリープラン
0円 無料 サポートなし
やよいの青色申告 オンライン
セルフプラン
11,800円(税抜) 初年度無償 操作サポートなし
やよいの青色申告 オンライン
ベーシックプラン
22,800円(税抜) 初年度無償 操作サポートあり
マネーフォワード クラウド確定申告
パーソナルミニ
10,800円(年払い) 1か月無料トライアル メール・チャット
マネーフォワード クラウド確定申告
パーソナル
15,360円(年払い) 1か月無料トライアル メール・チャット
freee会計
スターター
11,760円(税抜) 無料お試しあり チャット等(電話は上位のみ)
freee会計
スタンダード
23,760円(税抜) 無料お試しあり チャット(電話は上位のみ)

※ 弥生・freeeは税抜表示、マネーフォワードは公式サイトの表示価格です。各社で税抜/税込の表記が揃っていないため、比較するときは必ず同じ条件に直してください。また、やよいの青色申告 オンラインは2025年12月1日以降の申込分(2026年1月利用開始)から改定後価格が適用されています。契約時点の公式サイトで最新価格を確認してください。

3年で見るとどう変わるか

初年度無償のあるプランと、無料トライアルだけのプランでは、3年総額の差が単年の印象と逆転することがあります。たとえば初年度無償のプランは1年目0円・2年目以降が定価、無料トライアル型は実質1年目からほぼ定価です。

計算の目安

やよいの青色申告 オンライン セルフプランは初年度無償のため、3年総額は約23,600円(税抜・2年分)。マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミニは3年で約32,400円。この差額が、機能差やサポート差に見合うかどうかで判断します。差額はおよそ月250円——この水準を「安い」と見るか「不要」と見るかは、前提②でどちら側に立ったかで決まります。

PITFALLS比較のときにやりがちな失敗3つ

失敗1|「無料」に反応して所得区分を見落とす

無料プランの多くは白色申告向け、つまり事業所得の白色申告が前提です。雑所得で申告する人にとっては前提が違います。無料かどうかより、前提①の判定結果と噛み合っているかを先に見てください。

失敗2|比較表の「機能の数」を数えてしまう

請求書発行、経費精算、給与計算——個人事業主向けの比較表には多くの機能が並びますが、副業会社員が実際に使うのはそのうち2〜3個です。使わない機能が多いプランは、単に高いだけでなく画面が複雑になって続かないというコストがかかります。基準の重み付けをタイプ別にやったのはこのためです。

失敗3|申告直前に契約して比較を省略する

2月に慌てて契約すると、基準1・基準2の確認をしないまま入力を始めることになります。そして「住民税の項目がどこにあるか分からない」と気づくのが申告の当日です。比較は前年の秋までに済ませ、無料期間で一度通しで触っておくのが、この分野で最も投資対効果の高い準備です。

よくある質問

個人事業主がfreeeとマネーフォワードを比較するとどちらがいいですか?

簿記の知識がない状態から始めるならfreee会計、すでに簿記の考え方が分かっている、あるいは他のマネーフォワードのサービスを使っているならマネーフォワード クラウド確定申告が噛み合いやすい、というのが一般的な整理です。freeeは会計の用語を極力出さない設計、マネーフォワードは会計ソフトとしての標準的な操作感を残した設計という違いがあります。

ただし副業会社員の場合は、この2択の前に本記事の前提①(事業所得か雑所得か)と前提②(有料ソフトが要るか)を通してください。雑所得で年間数十万円規模なら、どちらを選んでも過剰になる可能性があります。

確定申告ソフトの比較は、結局どの項目を見ればいいですか?

副業会社員に限れば、優先度の高い順に「給与所得を同じ画面で入力できるか」「住民税の自分で納付を選べるか」「自分の所得区分(事業所得/雑所得)に対応しているか」の3つです。この3つを満たさない製品は、価格やUIがどれだけ良くても二重作業が発生します。

そのうえで、2年目以降の実質年額、サポートの階層、連携口座の絞り込み、データの持ち出しやすさを見ます。機能数の多さは判断材料になりません。

freeeと弥生はどっちがいいですか?

コストを最優先するなら弥生です。やよいの青色申告 オンラインはセルフプラン・ベーシックプランが初年度無償で、やよいの白色申告 オンラインにはフリープラン(0円)があります。一方、簿記の知識ゼロから始める、スマホ中心で操作したいという場合はfreee会計の設計が合いやすいでしょう。

なお、弥生は「初年度無償・2年目から定価」、freeeは「無料お試し後すぐ定価」という料金構造の違いがあるため、比べるときは必ず3年総額に直してください。

副業でも青色申告はできますか?

副業の所得が事業所得に該当し、開業届と青色申告承認申請書を期限内に提出していれば可能です。逆に、規模や継続性から雑所得と判断される場合は青色申告はできず、青色申告特別控除も使えません。

65万円控除を受けるには、複式簿記による記帳、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告に加えて、e-Taxによる申告か優良な電子帳簿の保存が必要です(国税庁タックスアンサーNo.2072)。この要件を満たす前提でソフトを選ぶことになります。

会社に副業を知られにくいソフトはありますか?

ソフトによる差はありません。決まるのは、確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選択したかどうかだけです。どの製品を使っても、この選択をしなければ副業分の住民税は勤務先の給与から特別徴収されます。

ただしこの選択ができるのは、給与・公的年金等以外の所得がある場合に限られます。副業がアルバイトなど「別の給与」である場合は、この欄では分離できません。ソフト選びで見るべきなのは、この項目に迷わず辿り着けるかどうかです。

まとめ|比較する前に、比較軸を自分の側に寄せる

「おすすめ10選」で決まらなかったのは、その表の比較軸が専業の個人事業主向けだったからです。副業会社員は、給与所得との合算と住民税の徴収方法という、そこに載っていない2つの条件を先に持っています。

比較に時間をかけるより、候補を2つに絞って実際に触ったほうが早く決まります。基準1と基準2は、無料体験で確定申告メニューを開けば5分で判定できる項目です。

参考・出典

  1. 国税庁「No.1500 雑所得」(業務に係る雑所得の300万円超・1,000万円超の取扱い、現金主義の特例)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm
  2. 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」(65万円・55万円・10万円控除の要件)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
  3. 国税庁「令和7年分 確定申告特集」(作成コーナーのスマホ対応、青色申告決算書のスマホ作成・e-Tax送信)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm
  4. 国税庁 確定申告書等作成コーナー「令和7年分の確定申告書等作成コーナーについて」
    https://www.keisan.nta.go.jp/oshirase/r7info/info05.html
  5. マネーフォワード クラウド確定申告「料金プラン」(パーソナルミニ/パーソナル/パーソナルプラスの価格・サポート範囲)
    https://biz.moneyforward.com/tax_return/price/
  6. 弥生「『やよいの青色申告 オンライン』価格改定のお知らせ」(2026年1月利用開始分からの改定価格)
    https://www.yayoi-kk.co.jp/yss/info/20250901.html
  7. 弥生サポート「[確定申告書の作成]で入力する項目」(給与所得・雑(業務)所得・雑(その他)所得の入力項目、住民税に関する事項)
    https://support.yayoi-kk.co.jp/subcontents.html?page_id=27167
  8. freeeサポート「確定申告書 第二表に含まれる住民税の徴収方法を普通徴収にしたいのですができますか」
    https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/360001216123
  9. freeeサポート「会社などから受け取った給与を記入する(給与所得)」(対応プランの記載)
    https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/207605616
  10. freeeサポート「【個人】freee会計のプランについて」(スターター/スタンダード/プレミアムの価格・サポート範囲)
    https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/213726523
福朗 AI副業の実践者/メディア運営。会社員として働きながら副業の確定申告を続けてきた立場から、制度と実務のあいだで詰まりやすいポイントを一次情報にあたって整理しています。本記事は情報提供を目的としたもので、個別の税務判断については所轄の税務署または税理士にご確認ください。
福朗
福朗

AI副業の実践者 / メディア運営。AIを活用した業務自動化と副業の仕組み化について発信しています。

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