「freeeとマネーフォワード、結局どっちがいいの?」「弥生は安いけど大丈夫?」——副業の帳簿を手作業で回すのが厳しくなってきた頃、誰もが一度はぶつかる悩みです。 3社を並べて比較すると、実は「どれが優れているか」という順位はつきません。今の副業の規模(免税事業者か課税事業者か、取引件数はどれくらいか)によって、最適解が変わるからです。 本記事では3社公式の料金ページと利用者の口コミを一次情報で洗い出し、料金・機能・乗り換えやすさを整理したうえで、副業の3つの成長段階別に選び方を判定します。 確定申告ソフト全般の選び方の前提を先に押さえたい人は、副業の確定申告ソフト 選び方|価格より先に見る7つの比較基準も参考にしてください。
先に結論だけ知りたい人へ
- 白色申告で取引も少なく、コストゼロを最優先 → やよいの白色申告 オンライン(ずっと無料。ただし青色申告の65万円控除は使えない)
- 青色申告の65万円控除を狙うが免税事業者・取引はまだ少なめ → マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミニ(年払い900円/月〜)
- インボイス登録済み・消費税申告が必要 → コスト最優先なら弥生セルフ、スマホ入力重視ならfreeeスタンダード、銀行連携重視ならマネーフォワード パーソナル
- 簿記に不安があり、電話で聞きながら進めたい → 弥生ベーシック/トータル、またはfreeeプレミアム
1freee・マネーフォワード・弥生、それぞれどんなソフトか
まずは3社の立ち位置を簡潔に整理します。どれも「クラウド会計ソフト」という枠組みは同じですが、得意分野がはっきり分かれています。
「簿記からの解放」を掲げ、質問に答えていくだけで帳簿が完成する設計。スマホアプリの完成度が高く、レシート撮影からの自動仕訳に強い。
従来の会計ソフトに近い操作感で、経理経験者ほど扱いやすい。銀行・カード明細からのAI自動仕訳の精度に定評があり、使うほど手動修正が減る。
「やよいの白色申告 オンライン」はずっと無料。青色申告は有料だが、電話・チャットサポートを手厚く選べるプラン構成が特徴。
freee会計の強みと弱み
最大の強みは、簿記用語を知らなくても「質問に答えるだけ」で仕訳が完成する導線です。レシート撮影からの自動読み取り、銀行・カード明細の自動仕訳、確定申告書の作成までをスマホアプリだけでほぼ完結できます。 請求書・見積書・納品書の作成機能も会計ソフト本体に標準搭載されており、発行すると自動で売掛金として計上されるのも便利な点です。 一方で、勘定科目を自分の意図通りに細かくコントロールしたい経理経験者には、やや自由度が低く感じられることがあります。他社からのデータインポート精度がやや弱い点も乗り換え時には注意が必要です。
マネーフォワード クラウド確定申告の強みと弱み
強みは銀行・クレジットカード明細からのAI自動仕訳の精度です。過去の仕訳パターンを学習していく設計のため、使い続けるほど手動での修正が減っていきます。連携できる金融機関数も業界トップクラスで、複数の口座・カードを使い分けている人ほど恩恵が大きくなります。 請求書発行は「マネーフォワード クラウド請求書」という別サービスとの連携で、会計データと自動でひも付きます。 弱みとしては、書類作成画面が実際の確定申告書の様式に近く、簿記も帳簿も初めての人にはやや取っつきにくく感じられる場合があることです。
弥生シリーズの強みと弱み
最大の強みは「やよいの白色申告 オンライン」がずっと無料である点です。青色申告オンラインも27年連続シェア1位の実績があり、電話・チャット・メールサポートを手厚く選べるプラン構成なので、簿記に不安が強い人ほど安心材料になります。 弱みは、請求書発行機能が本体には無く、別サービス「Misoca」との連携が前提になる点と、画面デザインがfreee・マネーフォワードと比べてやや古い印象を受けやすい点です。
2料金プランを徹底比較|年間コストで見る
「1年目の価格」だけで選ぶと、2年目以降に想定外の出費になることがあります。3社とも税別の年間コストで比較しました(2026年9月時点、各社公式情報より)。
| ソフト/プラン | 年間コスト目安 | 消費税申告 | 備考 |
|---|---|---|---|
| やよいの白色申告 オンライン | 0円(ずっと無料) | × | 白色申告のみ。青色申告65万円控除は不可 |
| マネーフォワード パーソナルミニ | 10,800円(年払い900円/月) | × | 青色・白色とも申告書類作成に対応 |
| やよいの青色申告 セルフ | 11,800円(初年度0円) | ○ | サポートはWeb FAQのみ |
| freee スターター | 12,936円(月払い1,958円/月) | × | 基本の帳簿付け・確定申告のみ |
| マネーフォワード パーソナル | 15,360円(年払い1,280円/月) | ○ | 公式「おすすめ」プラン。請求書作成も込み |
| やよいの青色申告 ベーシック | 22,800円(初年度0円) | ○ | 電話・チャット・メールサポート付き |
| freee スタンダード | 26,136円(月払い3,278円/月) | ○ | 月締め・分析レポート・4人までメンバー招待 |
| マネーフォワード パーソナルプラス | 35,760円(年払いのみ) | ○ | 電話サポート、レシート撮影月100件 |
| やよいの青色申告 トータル | 39,600円(初年度19,800円) | ○ | 仕訳・経理相談まで対応 |
| freee プレミアム | 43,780円 | ○ | 電話サポート、税務調査補償、経費精算 |
※ freeeの料金は複数の第三者比較記事で一致した数値を採用(公式ページはJS描画のため直接確認できず)。マネーフォワード・弥生は各社公式サイトの数値。価格は改定される場合があるため、契約前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
特に見落としやすいのが弥生の「初年度無料」です。2026年1月の価格改定により、セルフ11,800円・ベーシック22,800円・トータル39,600円(いずれも税別)に上がりました。 しかも初年度無料は「口座振替またはクレジットカードでの自動更新登録」が条件で、更新のキャンセルをしなければ2年目から自動的に課金されます。契約終了月の前月末までにキャンセル手続きをすれば無料期間だけで解約できるので、忘れずにカレンダーに入れておくのがおすすめです。 なお料金プランをめぐっては公式に存在しないプラン名がSNS等で誤って広まっているケースもあるため、契約前は必ず公式サイトのプラン名で確認する習慣をつけておくと安心です。
3機能で比較|スマホ完結・銀行連携・レシート読み取りAI
料金が近い場合は、日々の使い勝手の差で選ぶことになります。3社の機能面の傾向は次の通りです。
- スマホ完結度:freeeが頭一つ抜けています。レシート撮影からの自動読み取り機能が強く、外出先での取引入力がしやすい設計です。弥生のスマホアプリは撮影・入力・レポート確認が中心で、あくまで補助的な位置づけです。
- レシートOCRの精度:freeeは印刷レシートで90%超、手書き領収書は近年の改善で75%前後まで向上したとされます。誤読はゼロではないため、確定申告前の見直しは必須です。
- 銀行・カード明細のAI自動仕訳:マネーフォワードは過去の仕訳パターンを学習する精度に定評があり、使うほど手動修正が減っていく設計です。freeeも銀行明細で85〜90%、カード明細で80%程度の精度という報告があります。
- 連携できる金融機関数:業界トップクラスの連携数を持つのはマネーフォワードで、地方銀行や複数の証券・クレジットカードを使い分けている人ほど恩恵が大きくなります。
請求書発行・法令対応で比較
| 項目 | freee | マネーフォワード | 弥生 |
|---|---|---|---|
| 請求書発行 | 会計ソフト本体に標準搭載 | 別サービス「クラウド請求書」と連携 | 別サービス「Misoca」と連携 |
| 電子帳簿保存法 | 対応 | 対応 | 対応 |
| インボイス(適格請求書)対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 消費税申告 | スタンダード以上 | パーソナル以上 | 全プランで対応 |
※ 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応は3社とも標準機能としてクリアしています。意外な盲点は、freeeとマネーフォワードは消費税申告が上位プラン限定なのに対し、弥生は最安の「セルフ」プランから消費税申告書の作成に対応している点です(プラン差はサポートの手厚さのみのため)。
4副業の規模別・あなたに向いているのはどれか
ここが本題です。副業の「今の規模」を3段階に分けて、それぞれに向いているソフトを判定します。 無料プランだけで足りるかどうかで迷っている場合は、個人事業主の会計ソフト、無料プランは副業でも足りる?もあわせて確認してください。
白色申告で十分なら、まずコストゼロで始めるのが合理的です。将来的に青色申告65万円控除を狙う予定がある場合は、最初からマネーフォワード パーソナルミニかfreeeスターターで青色申告用の帳簿を付け始めておくと、後の切り替えがスムーズです。
複式簿記でのe-Tax提出が必要になる段階です。消費税申告が不要な免税事業者のうちは、消費税機能を持たない最安プランで十分間に合います。簿記に不安が強いなら、サポート厚めの弥生セルフ〜ベーシックへ振っても割高感は小さいです。
消費税申告が必須になる段階です。注意したいのは「基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超えたか」だけでなく、インボイス発行事業者として登録した時点で、売上規模に関わらず消費税の申告義務が生じるという点です。副業でも取引先から適格請求書の発行を求められて登録した人は、売上が小さくてもこの段階に該当します。 意外にも、消費税申告に対応した最安プランは弥生セルフ(11,800円/年)です。コストを最優先するならここが候補になります。請求書発行や経営レポートも本格的に使いたい、スマホでの入力頻度が高いといった理由があるならfreeeスタンダード、銀行連携の精度と使い慣れた操作感を優先するならマネーフォワード パーソナルが軸になります。
5乗り換え・データ移行はどこまでスムーズか
一度選んだソフトに一生縛られるわけではありません。ただし乗り換えの手間には差があります。 マネーフォワードには弥生からのデータ移行に特化した機能が用意されており、勘定科目・期首残高・仕訳データの3ステップで比較的スムーズに移行できます。 具体的な手順は弥生の青色申告オンラインからマネーフォワード クラウド確定申告への乗り換え手順で実際の画面つきで解説しています。 一方でfreeeは他社データのインポート・エクスポートの精度がやや弱いという指摘があり、退会前には必ず仕訳データのバックアップを取っておくべきです。 マネーフォワードと弥生の2社だけをより深く比較したい場合は、マネーフォワード クラウド確定申告 vs 弥生の青色申告 徹底比較も参考になります。
6実際の評判・口コミからみる弱点
公式サイトには書かれていない、使ってみて分かる弱点も一次情報として拾っておきます。
- 弥生:画面デザインがfreee・マネーフォワードと比べてやや古い印象という声があります。有料サポートに入らないと問い合わせへの案内が薄いという不満、解約が年契約の更新タイミングに絡んでオンライン中心の手続きになる分かりにくさも指摘されています。「弥生はひどい」という検索が出る背景にはこの2点が影響しているとみられますが、銀行・カード連携の自動化そのものは機能しており、致命的な欠陥という口コミは多くありません。
- freee:初心者向けの分、簿記の勘定科目を自分の意図通りに細かくコントロールしたい経理経験者には物足りなさを感じるという声があります。他社からのデータ移行時のインポート精度がやや弱く、レシートOCRも手書き文字では誤読が残るため、確定申告前の見直しは必須です。
- マネーフォワード:書類作成画面が実際の確定申告書の様式に近いため、簿記も帳簿もほぼ初めてという人にはやや上級者向けに感じられることがあります。パーソナルミニプランは証憑(レシート等)の保存件数に上限があるため、取引量が増えてきたら上位プランへの切り替えを見込んでおく必要があります。
7契約前に確認しておきたい3つのチェックポイント
ここまでの比較を踏まえて、契約直前に見落としがちな3点だけ最後に整理しておきます。
- 「初年度無料」の条件を確認する:弥生の初年度無料は自動更新登録が前提です。次年度も使う意思がない場合は、契約終了月の前月末までにキャンセル操作を忘れないようにしてください。
- 請求書をソフト内で完結させたいか:freeeは会計ソフト本体で完結しますが、マネーフォワードとMisoca連携の弥生は別サービスとの連携が前提です。すでに別の請求書ツールを使っているなら、それとの相性も確認しておくと二度手間になりません。
- インボイス登録の有無で消費税申告プランを選ぶ:売上が小さくても、適格請求書発行事業者として登録した時点で消費税申告が必要になります。「まだ売上が少ないから最安プランで十分」と決めつける前に、自分がインボイス登録済みかどうかを確認してください。
8よくある質問
マネーフォワードとfreee、結局どちらがいいですか?
個人事業主におすすめの会計ソフトは?
弥生会計はひどいですか?
白色申告なら無料の弥生だけで足りますか?
請求書発行機能はどのソフトが便利ですか?
9まとめ
freee・マネーフォワード・弥生はどれも個人事業主の確定申告に対応した実績あるソフトですが、優劣で選ぶものではありません。 「今の副業の規模」——取引件数、課税事業者かどうか、簿記への不安の度合い——を軸に選べば、遠回りせずに済みます。 迷ったら、まずは無料プランかお試し期間で実際の入力画面を触ってみるのが一番確実です。確定申告そのものの手順に不安がある場合は、副業の確定申告やり方完全ガイド|スマホe-Tax手順から住民税バレ対策までもあわせて読んでおくと迷いが減ります。